SF『火星のタイムスリップ』

フィリップ・K・ディックの『火星のタイムスリップ』(1964)読む。自由になりたくてもなれないキャラクター、現実と折り合うことのできないキャラクター、精神病とドラッグの幻覚で現実を歪めてしまうキャラクターたちの「闘争」がディックのシナリオを構成し…

SF『ニューロマンサー』

ウィリアム・ギブスンの『ニューロマンサー』(1984)読む。どうでもいいけど、私の生まれ年である西暦1984年はSF的な記号に満ちてはいないだろうかと自問してみる。たとえば、押井守の『ビューティフル・ドリーマー』の公開年、ジョージ・オーウェルの『1984…

ドラマ『赤い糸』

ドラマ『赤い糸』のキャラ間の距離感がいい。南沢奈央はカメラから中程度の距離感から思案にくれている(神経質な)顔がいいし、溝端淳平のセリフをいう間にとる計算された間のとりかたが男らしさを感じさせるのかなともおもいました。男前キャラはキムタク…

思想『ソクラテスの弁明/クリトン』

プラトンの『ソクラテスの弁明/クリトン』(紀元前)読む。ようするにこの本を読むことによって何が得られるのかが問題だが、言葉に取り憑かれたソクラテスの自己思弁を読者に強いること、つまり教育的な観点からプラトンは書いているとおもう。思考は自由…

小説『ロビンソン・クルーソー』

ダニエル・デフォーの小説『ロビンソン・クルーソーとその後の冒険』(1719)を読む。無人島で生活する前編『ロビンソン・クルーソーの生涯と冒険』の続編にあたるけど、物語の面白さ(生死のかかった制限された空間からのエクソダス)は前編にあるかもしれな…

iphoneヽ(´∀`)ノ

携帯数年ぶりに変えました。電話とメールくらいしか使ってなかったんだけど、これからは肉体の一部として重宝しようかな、とおもえるくらいのモノにしあがっていました。しかし初めは操作性に慣れなくて右往左往しているけどしだいに肉体になじんでくる。や…

小説『ガリヴァー旅行記』

ジョナサン・スフィフトの『ガリヴァー旅行記』(1726)読む。今年末に読む本がこれになりそうです。一年を区切りでかんがえたり、イベント行事に街中お祭り騒ぎになる日本の国民性に慣れない昨今ですが、年末年始は実家に帰らなければならない習慣があるらし…

思想『ユートピア』

トマス・モアの『ユートピア』(1516)読む。SFの古典を読む感覚で読んでみたのですが、けっこう面白いです。トマス・モアは法律のプロとして国王のコンサルタントをしていた実務家のエリートなんだけど、「国王至上法」(1534年。国王をイギリス国教会のトッ…

漫画『ライフ』19

愛海と歩の確執もクライマックス(刃物沙汰)に達した前巻からの展開ですが、やはり歩の快進撃がとまりそうにありません。母親との涙による和解も成立し、学校側の無能な教師たちの間ではイジメがあった事実を受け入れざるを得ない状況になってきました。も…

小説『巨匠とマルガリータ』

ミハイール・アファナーシエヴィチ・ブルガーコフの『巨匠とマルガリータ』(1940)読む。スターリン政権時の小説。遺稿として国が管理(内容が社会主義体制批判なため出版禁止処分)していたものを、70年代に出版。ペレストロイカ後に研究が進み、ロシア語…

ベストセラー『カラマーゾフの兄弟』を読破。

フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』(1880)を今更読む。といっても、売れてる新訳版ではなくて米川の旧訳のほうだけど、、翻訳は理論整然ではないが行間の陰気なリアリティが面白い。『罪と罰』『悪霊』と比べるとナラテ…

清涼in流水!入門

清涼院流水の『コズミック』『ジョーカー』(1996)読む。amazonでも近所の書店でも書籍(新品)が見当たらなかったので、中古で買いました。レビューを読むと辛辣な評価を下しているものが多かったのですが個人的には面白く読めました。情報化社会が浸透して…

アニメ『Kanon』を鑑賞。

アニメ『Kanon』(2006-07 京アニ版)を鑑賞。ゲームからアニメ化された作品。序盤の沢渡真琴と後半部の月宮あゆ(↑)のエピソードにかけてひたすら泣ける。自然と涙が頬を伝う。舞台は日本のどこかにある雪に覆われた小さな街。高校生が携帯電話を使用してい…